立行寺(りゅうぎょうじ)は、法華宗の寺院です。別名大久保寺と称されています。 寛永7年(1630年)、時代劇にも時折登場する旗本大久保彦左衛門(大久保忠教)によって麻布六本木にて創建されました。寛文8年(1668年)に旧地が火災にあったため現在地に移転しました。 徳川家康が臨終のとき、彦左衛門に遺言を残した。「彦左衛門のわがまま無礼を許す。今後将軍に心得違いがあるときは、彦左衛門に意見させよ」-これが「天下のご意見番」と呼ばれたいきさつです。 時代劇に登場する、彦左衛門は、忠義一徹、それでいて庶民のために将軍すらしかりとばすといった堅物の正義の味方で、「天下のご意見番」として、喝采を浴びました。 しかし実際は、家康に駿府城へ召し出され、直参旗本に命じられました。その後、加増もあり二千石の旗本となりました。一万石以上が大名です。彦左衛門は、旗本の中でも「中の下」です 。とてもご意見番を勤める立場ではありませんでした。後の世が作り出したお話です。無論本人は忠義一徹の武士であったことは間違いないようです。 寛永十六年(一六三九)、八十 歳でこの世を去った彦左衛門の墓は、岡崎市の長福寺とこの立行寺にあります。 立行寺には彦左衛門が目をかけた一心太助のお墓があります。
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