中井御霊神社(なかいごりょうじんじゃ)の創建年代は不明です。当社では、毎年1月13日に「備謝祭(びしゃまつり)」が開かれまする。「びしゃ」とは、的を弓で射てその年の吉兆を占う行事で、主に関東地方で行われる行事です。当社には、備謝祭の的を製作するのに使う「分木」と呼ばれるコンパスが2本あります。この分木の製作年代は、それぞれ1563年(永禄6年)と1620年(元和6年)で、戦国時代には、既にこの祭礼は存在していました。 中井御霊神社は、本殿・幣殿・拝殿からなる複合社殿の権現造りの形式です。本殿は、文化7年以前、棟札の記録によると享保3年(1718)を下らない時期の建造で、三間社流造り、銅板葺きの造りです。江戸時代の農村にある鎮守社の本殿として、簡素な作りです。拝殿は、古文書の記録より明治29年(1896)以前の建造であることがわかっています。正面三間・側面三間、入母屋造り、銅板葺きの構造です。建築彫刻が興隆する時期にふさわしく、技巧的な彫り物が多数用いられています。幣殿は記録等が現存しませんが、大正時代の建造であると伝えられています。
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