四谷左門町の於岩稲荷田宮神社の向かい側には、於岩稲荷陽運寺がある。両者とも【於岩稲荷】の称号を自称しており、いわゆる本家争いを繰り広げています。お岩様ゆかりの地を訪れると睨みあうようにして並び立つ2つの寺社に驚かされます。 歴史的な背景を辿っていけば、田宮神社の方が本家と言えます。元々この地が田宮家の旧宅跡であり、既に江戸時代には存在していたことが記録されています。田宮神社は田宮家の人が管理してます。 その於岩稲荷田宮神社本社は、明治12年の四谷左門町の大火で社殿が燃えてしまいました。当時歌舞伎役者の市川左団次が「御参りするのは四谷が遠いので、是非新富座近くに移ってほしい」と懇請により於岩稲荷田宮神社は中央区新川2-25-11に移転しました。現在もこの地に於岩稲荷田宮神社があります。 さて、この移転の後、昭和27年。御岩様とは関りの無い世田谷区鳥山町玄照寺の山岡辰海という和尚が四谷左門町に「於岩稲荷立成殿」を称する陽運寺を創設し、「於岩稲荷はこちらが本物」と、盛んに信者を集めました。これがお岩稲荷陽運寺の始まりです。そこで田宮家も黙っていられず、同年崇敬者と左門町の住民は全焼した左門町の土地に田宮神社を再建しました。 また、以前に紹介した豊島区西巣鴨4-8-28宮家の菩提寺である妙行寺にはお岩さんのお墓があります。 お岩さん関連の寺社は、新宿区、豊島区、中央区に4ヶ所もあります。 よく四谷怪談を演じる役者さんは祟りを恐れて参詣するとのこTですが、本家と元祖で争っているので両方に参詣するとよく聞きます。しかし!実は4ヶ所あるのです。
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〒160-0017 東京都新宿区左門町18−18 陽運寺