台東区の橋場1丁目に忽然と小さな塚のある小さな公園があります、妙亀塚公園です。 妙亀塚は謡曲『隅田川』で知られる梅若伝説に由来するものです。妙亀尼の伝説は古く平安の昔、哀れな人買い物語で向島の木母寺にある梅若塚と対をなすお話です。 人買いにさらわれた我が子梅若丸が向こう岸の塚に葬られているのを知らされ、我が子の成仏を願い塚の傍らに庵を作って念仏三昧の生活を続けました。しかし、かわいい我が子が忘れられず、ついに発狂して浅茅ヶ原の鏡ヶ池に身を投じてしまうという哀れな物語です。鏡ヶ池の傍らに妙亀尼の墓が作られ、それが今の妙亀塚と言い伝えられています。 塚の頂上には「弘安11年(1288)」の銘のある板碑があります。 梅若丸の母の伝説は貞元元年(976)と云われているためこの板碑との関連は定かではありません。またこの塚は古墳の一部であるとも言われています。 いずれにしろ不思議な公園です。
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〒111-0023 東京都台東区橋場1丁目29−6