大鳥神社(おおとりじんしゃ)の祭神は、日本武尊、国常立尊、弟橘媛命です。かつての目黒村(それ以前は下目黒村)の総鎮守です。11月に行われる酉の市でも知られています。目黒区最古の神社です。 かつては、国常立尊(くにとこたちのみこと)を祀った小社でした。日本武尊(やまとたけるのみこと)が東夷征伐のとき立ち寄り、平定の祈願をしたと伝えられています。日本武尊はその後伊勢の能褒野(のぼので亡くなりその霊を祀り、2柱の祭神となりました。 大同元年(808年)神勅によって社殿を造営し、大鳥神社と称したとのことです。今は弟橘媛命(おとたちばなひめのみこと)も合わせて3柱の神社になっています。このため江戸地図として古いものとされる「長禄江戸図」に書かれている古江戸9社の1つで、目黒村の総鎮守でした。 目黒区最古の神社にもかかわらず神社の境内は狭く、目黒通りと山手通りの交差点にあるため車輌の往来が激しく、神社の環境としては良くありません。 毎年11月に開かれる酉の市は、東京では古いももの1つといわれており、現在でも都内では有数の賑いを見せています。この市は日本書紀に「十月己酉に日本武尊を遣わして、熊襲を撃つ」とあり、尊の出発日が酉の日であったことから始まったと伝えられています。 境内には、東京都の天然記念物に指定された「オオアカガシ」の老木や三猿だけの延宝塔、元禄時代(1688~1703年)や宝永年間(1704年~1710年)の屋根付きの庚申塔など5基の石造物もあります。また、切支丹灯籠といわれる「織部式灯籠」や、天保6年(1835年)の酉の市を奉納した記念碑などもあります。
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〒153-0064 東京都目黒区下目黒3丁目1−2