圓能寺(えんのうじ)は、真言宗智山派のお寺です。1571年(元亀2年)、祐仙によって開山されました。享保年間(1716年~1736年)、慧燈が荒廃していた当寺を中興しました。 境内 本堂左奥の墓地には貞享2(1685)年の庚申塔があります。この庚申塔は正面に聖観音菩薩立像が彫られた珍しいものです。銘文から地元の庚申講が僧侶の指導のもと行われたことがうかがう資料として貴重です。 聖観音菩薩の立像は丸い台石に載っています。この台石と尊像に異なる年紀が入っています。聖観音像の造立年は貞享2年(1685)4月と彫られています。一方、丸い台石には、「奉庚申供養 観世音一體」と彫られていて、元禄12年(1699)11月の造立年が刻まれています。「沙門圓能寺定辨良言 新井宿村同行六人」と記されています。聖観音像は年紀通り貞享2年に作られて寺に祀られていたところ、庚申講中がそれを庚申講に用いる際に台石を造ったと考えられます。
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