貞観元年(859年)に武州の八幡社の総社に定めたとの記載が残されています。また、延喜式神名帳にも記載された古い神社です。徳川家の参詣の記録も残されています。 かつては弁天池など広い境内があったと思われますが現在、神社の前は国道1号線で道路の拡張により当時の面影はありません。 この神社が有名になったのは鈴石です。 社伝によると延暦年間(782-806年)に武蔵国の国司だった石川氏が奉納した石で、神功(じんぐう皇后ゆかりの石とされます。鈴石と呼ばれたのはこれを打つと鈴のような音がしたことからとのことです。 讃岐の屋島で採れる「カンカン石」似たものかもしれません。かんか石はサヌカイトと呼ばれる岩石で、叩くと鉄のような金属音がします。江戸時代の人々は「馨石」(けいせき)とも呼び親しんできました。 なおこの鈴石から鈴ヶ森の地名の由来になりました。 この神社には烏石(うせきとよばれるカラスの姿が浮き出た石が江戸時代の書家松下烏石から寄進されています。この2つの石は屋内(非公開)で保存されています。 国道の歩道の傍らに磐井の井戸が保存されています。以前は神社の境内にあったものです。東海道を往来する旅人の喉を潤した井戸です。土地の人は、心正しい人には清水、心よこしまなら塩水になると伝えています。
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