真言宗の寺院正蔵院は寺号を了仲寺と言いますが正蔵院で知られています。寺の前を通る大通りはかつての羽田道です。昔のこの道は東海道三原から分岐して河口寄りの羽田の渡しややや上流の大師の渡しを経て川崎大師へ往来する道でした。この道よりも東側(河口側)は羽田猟師町という町で、水産物がこの道を通って江戸の街へ運ばれていました。 境内 山門前の堂宇に、3基の石仏が祀られています。 左の大きな唐破風兼板碑風(笠付塔婆型)の石塔は念仏講中による念仏供養塔です。「石塔造立三界万霊同一性故入阿空」「施主念佛講中同行十三人」と記されています。供養塔は天和3年(1683)5月に造立されたものです。 中央の頂部が欠けた駒型庚申塔は、日月、青面金剛像、邪鬼、二鶏、三猿の図柄です。尊像は左手にショケラを持っています。この庚申塔は、享保10年(1725)3月造立に造立されたものです。 右の小さな舟型光背型庚申塔は、日月、青面金剛像、三猿の図柄です。「武刕六江領羽田村」と記されています。この庚申塔は古く、貞享元年(1684)12月に造立されたものです。
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〒144-0044 東京都大田区本羽田3丁目10−8