今も人びとに愛唱されている「たきび」の歌。この童謡の作詞者・巽聖歌(本名 野村七蔵1905~1973年)は、岩手県に生まれ、北原白秋に師事した人で、多くの優れた児童詩を残しました。聖歌は、この詩が作られた昭和5、6年頃から約13年の間、功運寺のすぐ近く、現在の上高田四丁目に家を借りて住んでいました。 聖歌は鈴木家の庭でたき火をしている光景に出会い、「たきび」のうたの詩情をわかせたといわれています。歳月が流れ、武蔵野の景観が次第に消えていくなかで、幹まわりが3~4メートルもあろうかというケヤキ、ムクノキ、カシなどの大木と、竹の垣根が続き昔の大農家の面影を残しています。歌の中にでてくる「サザンカ」は、向かい側の農家の生け垣だったそうですが、今はその面影をとどめるものはありません。
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