庚申塔のある五差路は以前は庚申前と呼ばれていました。変則五差路の三角地帯には5基の石仏が並んでいいます。明治20年代に流行り病があった時にここにお祈りをしてご利益があったと伝えられています。いまだに病気治癒の祈願をする人がいるとのことです。正面右から舟型の馬頭観世音、造立年は明和3年(1766)3月です。施主は菊田孫右衛門、奉千老供養馬頭 武刕多摩郡下鷺宮村講中18人の銘があります。2番目は駒型の庚申塔。青面金剛、邪鬼、三猿の図柄で、造立は延喜3年(1746)10月です。奉造立庚申講中二世為安樂 武州多摩郡鷺宮村講中15人と記されています。中央石仏は庚申塔です。駒型で青面金剛・二鶏・三猿の図柄です。造立年は正徳2年(1712)10月です。「奉庚申待二世安樂所 願主 同行8人敬白」と記されています。次は地蔵菩薩の立像です。「南無阿弥陀仏 武刕多摩郡下鷺宮村 奉造立地蔵菩薩 念仏講中二世安樂所 講中21人」とあり、造立年は宝暦3年(1753)3月です。左端は聖観音像です。大正8年(1919)9月と記されています。石仏群は大正時代になっても地元の人々に大切されていたことが解ります。
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