犬屋敷は徳川五代将軍綱吉が設けた幕府による犬の保護施設で、「お囲い御用屋敷」ともいいました。中野4丁目あたりの旧町名「囲町」はこれに由来します。 綱吉は生類憐みの令によって殺生を制限し、特に犬は厳重に保護。江戸郊外の中野に最も大規模な犬屋敷をつくり、多数の役人や医者を置いて飼育にあたらせました。元禄8(1695)年末に収容を開始し、綱吉の死去により宝永6(1709)年に廃止されるまで、15年間存続しました。 敷地は現在の区役所を中心に約30万坪。5つの犬囲には犬小屋・餌場・日除場・子犬養育場など様々な建物があり、幕府の公式記録によると、収容を始めてすぐに10万頭もの犬が集まったそうです。莫大な費用は、江戸の商家や天領の農民たちが負担しました。 この犬屋敷があったことを示す犬の像が中野区役所前に設置されています。
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〒164-0001 東京都中野区中野4丁目8−1