成願寺(じょうがんじ)は、曹洞宗のお寺です。永享10年(1438)小田原最乗寺第5世春屋宗能禅師の教えを受けた中野長者の鈴木九郎が出家して、西新宿の十二社(現、西新宿熊野神社)の敷地内に創建しました。中世には正観寺と称していましたが、江戸時代初期に長者屋敷跡(当地)へ移転し、成願寺と改称しました。開基である鈴木九郎は紀州出身で室町時代初期に当地に移住しました。九郎は武蔵国多摩郡中野郷から豊島郡角筈村にかけての土地を購入して開拓を行い、財を成して「中野長者」と呼ばれていました。 境内 手水脇に三界万霊の塚があり、その中に多くの石仏が並んでいます。頭に馬の顔が彫られた馬頭観音があります。薄っすらと朱が残る秀逸な石仏です。馬頭観音は、文政8年(1825)8月に造立されたものです。施主川村松蔵と記されています。 墓所に背の高い地蔵があります。丸彫の地蔵菩薩立像で「鍋島地蔵」と呼ばれています。真如院殿一切妙覚童女之霊」と記されています。鍋島家に所縁ある女児を供養していると伝えられています。地蔵菩薩立像は、江戸時代初期の延宝2年(1674)11月に造立されたものです。 鈴木九郎の墓 中野の地を開拓し中野長者と呼ばれた鈴木九郎の墓で、成願寺の本堂手前左側に安置されています。
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〒164-0012 東京都中野区本町2丁目26−6