清谷寺(せいこくじ)は、真言宗豊山派のお寺です。 鎌倉時代に覚宥が開山したといわれています。元々は地蔵堂だけの小堂にすぎず、恵深の代になって漸く寺院として整備されたと伝えられています。この恵深も、いつの時代の人物なのかは不明です。ただ応永6年(1399年)の銘が入った板碑があることから、室町時代前期には既に存在していたものと推測されます。 明治時代の一時期、野方村の村役場が置かれていたことがありました。 十三仏板碑 寺の境内=中野小鳩幼稚園にある十三仏板碑は、室町時代初期(1399年)のもので、種子(梵字)により十三仏と菩薩が刻まれています。石質は秩父から産出する緑泥片岩です。 金剛界大日如来を主尊とし、右側上から胎蔵界大日如来、勢至菩薩、薬師如来、地蔵菩薩、弥勒菩薩、普賢菩薩、釈迦如来が刻まれ、中央に「応永六年巳卯十月十五日逆修心信結衆十敬白」と記されています。 銘文によれば、約600年前に信仰の厚い人々が心をあわせて逆修供養のために造立したことがわかり、当時の民間信仰の一端を示しています。逆修とは、造立者が生前にあらかじめ死後の供養を自ら行うことです。死後の菩薩を弔う追善供養に比べて、はるかに功徳がまさっているという「七分全得」の教義に基づいたものといわれています。 この十三仏板碑は、当時の人びとの信仰を探る優れた資料であり、また都内の石造美術遺品の中でも特に貴重なものです。 本堂右手にあるのですが小鳩幼稚園の園庭になっているので保母さんにお願いして入れてもらいます。
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