中道寺(ちゅうどうじ)は、日蓮宗のお寺です。天正10年(1582年)に日道上人が荻窪の地に草庵を営み、元和二年(1616年)に2世日法上人が中道寺と称え、寛永十三年(1636年)に檀徒宇田川茂右衛門が寄付した土地に、本堂などの建物を建て三宝を安置しました。二階建ての立派な楼門は、安永二年(1773年)の建築で、鐘楼を兼ねる鐘楼門です。 本尊は〝黒目のお祖師さま〟または〝願成りの祖師〟と呼ばれる日蓮像で、鬼子母神堂に祀ってある伝教大師(最澄)作という鬼子母神とともに、地域の農民から多くの信仰を集めました。 門入った左手にコンクリート製のつり鐘があります。鐘楼に吊ってあった寛保二年銘の梵鐘は、太平洋戦争中に金属回収のため国へ献納されました。梵鐘を失ったため山門が軽くなり、風の被害を避けるため同じ重さのコンクリート製のおもしを作り吊したものです。今の梵鐘は戦後他寺より譲り受けたものです。 本堂の裏側にある不動尊は、熱病にきくと信じられています。その昔大変な熱病がはやり大勢の人が亡くなりました。これは火の神様を祭らなかったから熱病のたたりがあったからではと不動尊碑を建て、お参りしたところ熱病の流行が消えました。それ以後熱病が起こるたびにこのお不動様に願をかけたといいます。 鐘楼門は都内でも少ないうえ中道寺のそれは規模も大きく立派です。
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〒167-0051 東京都杉並区荻窪2丁目25−1