延命寺は、真言宗豊山派で双林山月輪寺といいます。創建年代は不明です。寛永年間(1624-43)、村にあった観音堂をお寺としたと伝えられています。 境内には近隣にあった石造物が集められています。 ① 3基の庚申塔 右 笠付角柱型庚申塔は江戸時代初期の天和3年(1683)9月に造立されたものです。庚申塔は、日月、青面金剛像、三猿の図柄です。側面と尊像下に蓮華と蓮葉が描かれていなます。「奉造立青面金剛一結之衆中二世安楽所」、「中臺村庚申講衆」と記されています。 中央 笠付角柱型庚申塔は、江戸時代初期の貞享5年(1688)2月に造立されたものです。庚申塔は、日月、青面金剛像、邪鬼、二鶏、三猿の図柄です。庚申塔には、武刕豊嶋郡中臺村と記されています。 左 笠付角柱型庚申塔は、享保2年(1717)2月に造立されたものです。笠に擬宝珠が残っています。庚申塔は、日月、青面金剛像、二鶏、邪鬼、三猿の図柄です。 ② 3地蔵2基の六地蔵菩・角柱石塔 3地蔵2基の六地蔵菩は、天保2年(1831)2月に造立されたものです。願主飯田氏です。飯田姓は延命寺の石仏には多くみられるので、当時の名家と考えられます。 角柱型石塔は馬頭観世音菩薩です。馬頭観音菩薩は、天保14年(1843)3月に造立されたものです。右側面に「西 練馬ふじ大山道」、左側面は「岩渕川口道」、裏面は「南 板橋道」と記されていて道標を兼ねています。 ③ 地蔵菩薩像・庚申塔3基 左 地蔵菩薩像は、江戸時代初期の寛文3年(1663)10月に造立されたものです。台石に「奉建立地蔵尊為二世安楽也 願主 飯田氏」と記されています。 左二番目 笠付角柱型庚申塔は、、日月、青面金剛像、邪鬼、二鶏、三猿の図柄です。正面に「奉造立青面金剛二世安楽諸願成就所」「武刕豊嶋郡中臺村」と記されています。 左三番目 駒形庚申塔は、享保20年(1735)2月に造立されたものです。庚申塔は、日月、青面金剛像、邪鬼、三猿の図柄す。尊像脇に「ねりまへ十八丁 これより左へ」とあり、台石には「中台村 かふ中 十五人」と記されています。 右 駒形庚申塔は、宝暦3年(1753)12月に造立されたものです。庚申塔は、日月、青面金剛像、二鶏、邪鬼、三猿の図柄です。庚申塔は、「中臺村講中」、右面に「此方 ねっぱミち」、左面に「此方 富士道」と記されています。願主名は久保家と飯田家の名前が記されています。 ④ 石仏群 左 舟型光背型地蔵菩薩は、江戸時代初期の延宝3年(1675)10月に造立されたものです。「奉造立地蔵菩薩念仏講供養 結衆14人」と記されています。 左二番目 笠付角柱型供養塔と考えられます。詳細は不明です。 奥 六(七)地蔵 中央の地蔵は判読不明です。金剛願地蔵、放光主地蔵、金剛幢地蔵、金剛悲地蔵、金剛宝地蔵、顧天賀地蔵と記されています。
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