円光院(えんこういん)は、真言宗豊山派のお寺です。戦国時代末期、円長法師(1585年寂)によって開山されました。寺の南に池があったことから山号を「南池山」、貫井の寺ということから寺号は「貫井寺」にしました。 円長法師は修行中に足腰の痛みを感じたため、様々な治療を試みたが効果がありませんでした。そこで武蔵国秩父郡の子聖権現(現・埼玉県飯能市の天龍寺)に遥拝祈願しました。円長法師は夢の中でお告げを聞き、お告げ通りの石を掘り当てて、患部を擦ると快癒しましたた。円長法師はこれに感謝して、その石を「霊石」として奉安するとともに、子聖権現を勧請してこの寺を建てました。 山門左手の大きな石柱には文化7年(1810)子ノ聖観世音と刻まれています。 観音堂に安置されている十一面観世音は馬頭観世音と称され、馬の守り本尊として、馬かけの行事が毎年催され賑わったといいます。 山門には多くの石仏や石柱があります。その中で一番背の高い石仏は、延命地蔵です。享保20年(1735)に造立されたものです。 画像の大きな唐破風笠付角柱型庚申塔の造立年は元禄6年(1693)10月です。庚申塔の右側面には「奉待庚申供養二世安樂祈」とあります。正面には日月、青面金剛像、邪鬼、三猿の図柄で、左面には「武刕豊嶋郡上練馬之内 貫井村結衆三十人敬白」と刻まれています。 山門内の手水鉢は、文化5年(1808)に作られたものです。背面に「地内商人・上下練馬・蕪ヶ谷戸・中村・中荒井各講中」とあります。
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