明王院(みょうおういん)は、真言宗豊山派のお寺です。 平安時代末期の1178年(治承2年)に、源義広により祈願所として、現在は近隣の荒川放水路にあたる箇所に創建されました。その後、義広の孫の源義純をはじめとして、義広の子孫が代々同地に住むことになりました。義純の孫の源久広は梅田氏を名乗るようになり、寺号も萬徳山梅林寺と定めたと伝えられています。 室町時代の永正年間に梅田久広の子孫・梅田久義が丹波国へ移住したため、同寺は管理されなくなり荒廃しました。慶長年間に真如によって現在地に移され、中興されました。 江戸時代の寛永年間に、三代将軍・徳川家光が鷹狩を行った際にその御膳所となり、朱印状を賜りました。以降同院は歴代将軍の御膳所になりました。 1742年には、現在の本尊である感得不動明王が京都の清閑寺より伝わり、翌1743年には旧・不動堂が建立しました。この不動堂は、木造で全体が朱塗りであったことから「赤不動」と呼ばれ、これは同院の別称にもなっています。1973年(昭和48年)に現在の本堂(不動堂)が完成しました。 1742年に京都の清閑寺から譲られた感得不動明王像は、空海(弘法大師)が42歳の時の作と伝わっています。高さは約140cmです。秘仏とされ、普段は非公開ですが、1月・5月・9月の各28日に開扉されます。 境内には八彦尊が祀られているお堂があります。八彦尊に祈ると咳が収まると言われ今でも多くの人に信仰されています。
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〒123-0851 東京都足立区梅田4丁目15−30