東光寺は真言宗のお寺で、医王山瑠璃院と言います。慶長元(1596)年、海秀法師が創立しました。比較的小さな地元のお寺ですが、ここには注目すべきお地蔵があります。本堂左手の小さなお堂に3体ほど安置されている地蔵の中央のものです。 安政2(1855)年(1855)10月2日に発生した直下型大地震は、江戸市中に大きな被害を与えました。マグニチュード6.9と考えられる安政の大地震です。死者は7千~1万人と推計されています。葛飾区では、亀有付近の被害が深刻でした。地蔵の台石には、地震のため東光寺にあった石造地蔵は破損したと記されています。 住職は喜捨を募り、安政4年新たに造立されたのがこの石造地蔵だということも記されています。地震の被害とそれに対処した当時の様子を伝えている貴重な歴史の証人なのです。 お堂の中の石仏 左から舟型の地蔵菩薩像で、享保10年(1725)9月の造立。「葛西上平井村」の銘があります。中央の舟型の地蔵菩薩は子育地蔵です。安政大地震で壊れてしまったので再建した地蔵です。右の丸彫の地蔵尊は詳細は不明ですが江戸時代のものです。 画像の宝篋印塔と五輪塔 大きな方の宝篋印塔は文化11年(1814)極月(12月)の造立です。小さい宝篋印塔は享保3年(1728)10月の造立です。五輪塔は寛政7年(1795)4月の造立です。どれも安政の大地震を越えてきた石塔です。
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